【論 文】
ライムケーキの低温固化と調湿機能の評価
伊 藤 英 信*・外 山 寛 之*・畦 田 文 博**・二 俣 正 美***・高 橋 順 一****・岸 政 美*****
【要 旨】 甜菜製糖工場から大量に排出されるライムケーキを有効利用するために,その固化方法および固化体の機能性について検討した。その結果,ライムケーキに助剤として水酸化カルシウム,および貝殻粉末を加え,水蒸気−炭酸ガス雰囲気中150℃で処理することによって最大19.6MPaの圧縮破壊強度をもつ固化体を得ることができた。一方,ライムケーキは比表面積32m2/g,半径1.5-2.5nmの細孔をもつ多孔体であり,その固化体は自律型調湿機能をもち,内装用建材としての応用に期待できることがわかった。
キーワード:ライムケーキ,固化体,自律型調湿機能,内装用建材
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.4, pp.280-286, 2005
原稿受付 2004.8.25 原稿受理 2005.4.8
* 北見工業大学工学部 機能材料工学科
** 訓子府石灰工業(株)
*** 北見工業大学工学部 機械システム工学科
**** 北海道大学工学研究科 物質工学専攻
***** 北海道工業大学総合教育研究部 化学教室
連絡先:〒090-8507 北海道北見市公園町165
北見工業大学工学部 機能材料工学科 伊藤 英信