【論 文】
ステレオ画像処理を用いたごみ焼却炉ホッパ内のごみ体積の計測
伊 藤 大 輔*・高 岡 昌 輝**・中 塚 大 輔***・角 田 芳 忠****・武 田 信 生**・藤 原 健 史**・大 下 和 徹**
【要 旨】 投入ごみの密度およびごみ焼却炉内へのごみ供給量を把握するには,ごみ投入ホッパ内での体積変化を知ることが重要である。本研究では,画像を用いたステレオ計測によってホッパ内のごみの表面形状情報を取得し,ホッパ底からごみ表面までの距離を水平面方向に積分することによってホッパ内のごみ体積を計算するためのシステムを開発した。まず,この開発にあたり,ステレオ計測の核ともいえる3視カメラビジョンシステムの距離測定精度の把握およびステレオ計測データの自動取得および自動体積計算方法を確立した。さらに実プラントにてホッパにおけるごみ表面形状を連続的に測定し,体積計算を行うことを試み,実機への適用が可能であることを確認した。本方法によるごみ焼却炉ホッパ内ごみの体積計算システムとごみの圧密・供給モデルをリンクさせることによりホッパに投入されたごみの体積や密度から燃焼室に供給されたごみ体積を計算する「供給ごみ推定システム」を構築することができる。
キーワード:画像処理,3視カメラ,都市ごみ,体積,レーザー計測
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.5, pp.378-389, 2005
原稿受付 2004.11.1 原稿受理 2005.6.1
* 京都大学大学院工学研究科 環境工学専攻(現在 (株)IBM)
** 京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻
*** (株)タクマ
**** 北海道大学大学院工学研究科 循環資源評価学(タクマ)講座
連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田本町
京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻
環境デザイン工学講座 高岡 昌輝