【論 文】
真空加熱分離法によるPCB使用電気機器からのPCB分離における処理条件の影響
齋 藤 哲*,**・大 林 宏 至*・中 井 智 司**・細 見 正 明**
【要 旨】 真空加熱分離法によるPCB使用電気機器からのPCB分離実験をパイロットスケールの実験プラントを使用して実施し,処理温度および処理時間がPCB分離処理の性能に及ぼす影響について検討した。試料には実際のPCB廃棄物で低濃度PCB汚染物であるワニス含浸柱上トランスおよび高濃度PCB汚染物である高圧トランスおよびコンデンサを使用した。処理圧力は100Paに固定し,処理温度を200〜400℃,処理時間を1〜3時間で変化させて実験を行った。その結果,ワニス含浸柱上トランスは,処理温度300℃,処理時間1時間が最適な処理条件であると考えられた。一方,高圧トランスおよびコンデンサは,処理温度400℃,処理時間1時間が最適な処理条件であると考えられた。
キーワード:真空加熱,PCB,分離,トランス,コンデンサ
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.6, pp.481-491, 2005
原稿受付 2004.9.7 原稿受理 2005.7.14
* ゼロ・ジャパン(株)技術部
** 東京農工大学工学部
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ゼロ・ジャパン(株)技術部 齋藤 哲