【論 文】
飲料容器廃棄物の発生要因の解析
田 崎 智 宏*・森 口 祐 一*
【要 旨】 現在,容器包装リサイクル法の見直しが議論されているなか,容器包装廃棄物の発生抑制が不十分であることが指摘されている。本研究では,容器包装のうち飲料容器に着目し,その廃棄物発生要因を人口増加,飲料消費増加,容器選択のシフト,容器重量の変化に分解して解析した。清涼飲料,飲用牛乳,ビール・発泡酒を対象にした解析の結果,飲料1本あたりの単位容器重量は減少しているものの,飲料消費の増加,容器素材のシフト,容量あたりの容器重量の増加という3つの要因によって,廃棄物発生量削減効果は多くの品目で相殺されていることが示された。また,容量あたりの容器重量の増加は,小型容器へのシフト,消費される飲料種の変化に伴う使用容器の変更に付随するものと推察された。
キーワード:発生抑制,廃棄物発生要因,飲料容器,消費形態
廃棄物学会論文誌,Vol.17, No.1, pp.31-41, 2006
原稿受付 2005.2.21 原稿受理 2005.9.27
* (独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 田崎 智宏