【論 文】
電気・電子製品23品目の使用年数分布と使用済み台数の推計
小 口 正 弘*・亀 屋 隆 志*・田 崎 智 宏**・玉 井 伸 明***・谷 川 昇****
【要 旨】 電気・電子製品23品目について,家庭と事業所の保有状況のアンケート調査に基づいて,使用年数分布の推定と2003年度から2008年度までの使用済み台数の推計を行った。その結果,平均使用年数が長い品目には家電4品目などの比較的高価で古くから普及している品目が多く,短い品目にはノートPCなどの比較的小型・中型で近年普及が進んでいる品目が多いこと,他製品へ代替が進行中の品目を除いた22品目について使用年数分布の幅の狭さを示すパラメータbを平均値2.4で近似できることがわかった。また,2003年度の使用済み台数は23品目合計で約1億3千万台であり,そのうち携帯電話・PHSが4,520万台と他の品目と比べて桁違いに多いと推計された。さらに,情報通信機器の使用済み台数は2008年度までに大きく変化することやVTR,掃除機などは使用済み台数が回収・リサイクル義務のある7品目と同程度であることがわかった。
キーワード:電気・電子製品,耐久消費財,使用年数分布,使用済み台数,アンケート調査
廃棄物学会論文誌,Vol.17, No.1, pp.50-60, 2006
原稿受付 2005.4.28 原稿受理 2005.9.26
* 横浜国立大学大学院工学研究院
** (独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
*** みずほ情報総研(株) 環境・資源エネルギー研究部
**** 北海道大学大学院工学研究科
連絡先:〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5
横浜国立大学大学院工学研究院 総合研究棟S407室 環境安全工学研究室 小口 正弘