【特 集:循環型社会形成とサービサイジング・エコビジネス】

サービサイジングからみた自動車リース事業
藤 井   嵩*

【要 旨】 自動車リースは30年を超える成長の歴史を持つサービサイジング・ビジネスである。日本国内で登録される新車の内11%は自動車リースである。また日本国内で使用されている自動車7,800万台の内3.7%,すなわち289万台がリース車である。自動車リース会社は,単に自動車を賃貸するだけでなく,自動車の整備・修理などの維持管理業務を引受けるばかりか,自動車保険・ガソリンカード・ETCカードの取扱いなど,家計・法人が支出する自動車関連支出のすべてに関与し,整備工場・リサイクル事業者・中古車事業者等と連携する水平分業型ライフタイム・バリューチェーンを構成している。さらにはリサイクル問題や省エネ問題等,環境問題を含む社会の要請に応える機能商品として,顧客に新たな自動車の利用方法を提案している。

キーワード:自動車リース,メンテナンスリース,ライフタイム・バリューチェーン,ライフタイムコスト,自動車リース協会連合会(JALA)
廃棄物学会誌,Vol.17, No.3, pp.128-135, 2006
原稿受付2006.4.14
* 日本自動車リース協会連合会
連絡先:〒150-0011 東京都渋谷区東2丁目16番10号