【解  説】

ガス化燃料用ガスタービン燃焼器の技術開発とその適用によるRDF等廃棄物燃焼発電システムの高効率化
長谷川 武 治*

【要 旨】 一般廃棄物の6割の焼却処理に発電設備が設置されており,発電効率は平均10%と最新発電設備の1/4〜1/5と低い。当該処理施設に高効率発電プラントを導入すると約347億kWhの電力を発生し,わが国における一般電気事業者の年間需要電力量の約4%,実に水力発電量の1/2に相当し,エネルギー省資源化および地球環境負荷低減に大きく貢献できる。一次エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に依存するわが国のエネルギー事情を鑑みれば,将来にわたるエネルギーの安定供給ならびに地球環境保全の観点から,廃棄物の循環型エネルギー資源としての高効率利用は最重要課題といえる。検討が進められているRDF, RPFおよび一般廃棄物による流動床燃焼およびガス化溶融炉技術に適用可能な高効率発電技術の一つとしてガス化燃料用高温ガスタービン発電技術を取り上げ,国内外におけるガス化燃料用ガスタービン燃焼器技術の開発動向について概説する。

キーワード:ガス化溶融炉,一般廃棄物,ガスタービン燃焼器,高効率発電,NOx排出量低減
廃棄物学会誌,Vol.17, No.4, pp.234-247, 2006
原稿受付 2006.1.20  原稿受理 2006.5.9
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