【論  文】
ハンディタイプオープンパス型計測器による大気環境中メタン計測手法の廃棄物最終処分場への適用
谷 川   昇*・古 市   徹*・石 井 一 英*・松 尾 晃 治*・井 関 孝 弥**

【要 旨】 市販のハンディタイプオープンパス型都市ガス漏れ検知器(オープンパス型メタン計測器)と反射板を用いた簡便な大気環境中の平均メタン濃度の計測手法を提案し,その計測手法の測定値の信頼性と実際の最終処分場への適用性を検討した。
 オープンパス型メタン計測器を用いたメタン濃度の測定値は,水素炎イオン化方式炭化水素自動計測器(FID自動計測器)のメタン濃度の測定値と良い相関関係が認められたこと,オープンパス型メタン計測器と反射板間の距離にほとんど影響されないこと,再現性も良好であったことから,提案した計測手法によって,大気環境中のメタン濃度をFID自動計測器と同程度の精度で計測できることがわかった。さらに,提案した計測手法は,実際の最終処分場内において,平均メタン濃度とその変化を簡便かつ正確に把握でき,埋立ガスによる作業環境への影響や埋立廃棄物の安定化の進行状況の把握等に活用可能であることを示した。

キーワード:メタン,オープンパス型自動計測器,最終処分場,モニタリング,埋立ガス
廃棄物学会論文誌,Vol.17, No.5, pp.305-312, 2006
原稿受付 2006.2.7  原稿受理 2006.6.22
* 北海道大学大学院工学研究科
** 東京ガス(株) 技術開発部
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北海道大学大学院工学研究科 谷川 昇