【論  文】
家庭系容器包装プラスチックごみの収集と運搬に関する評価モデル
藤 井   実*・村 上 進 亮*・南 齋 規 介*・橋 本 征 二*・森 口 祐 一*・越 川 敏 忠**・齋 藤   聡**

【要 旨】 家庭から排出されるプラスチック製容器包装の分別収集,中間処理,再商品化事業者への輸送について,CO2排出量と費用を市町村の世帯密度と面積の組み合わせで求めるモデルを作成した。収集モデルはグリッドシティーモデルの考え方を基に,収集ブロックの地理的分布を考慮可能な形に変更したものであり,これに中間処理としての圧縮梱包と,再商品化工場までの輸送を考慮するモデルを追加した。結果は,世帯密度が大きいほど,また収集面積が小さいほど,収集に伴うごみ重量あたりのCO2排出原単位および費用原単位が小さくなることを示した。また,収集回数に変化がなければ,可燃ごみとして混合収集する場合と,分別収集する場合とで,CO2排出原単位および費用原単位に大きな差はなかった。圧縮梱包と再商品化事業者への片道200kmの輸送を含めても,CO2排出量はプラスチック製容器包装のもつ炭素量の5%程度であると予想された。

キーワード:世帯密度,面積,二酸化炭素,費用,一般廃棄物
廃棄物学会論文誌,Vol.17, No.5, pp.331-341, 2006
原稿受付 2005.9.29  原稿受理 2006.7.26
*(独)国立環境研究所
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(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター  藤井 実