【論 文】
真空加熱分離法によるPCBを吸着した活性炭からのPCB分離挙動
齋 藤 哲*, **・祝 炳 ショウ**・今 野 祥 子**・大 林 宏 至* ・中 井 智 司**・細 見 正 明**
【要 旨】 真空加熱分離法によるPCBを吸着した活性炭からのPCB分離について,その適用性を検討した。PCBが吸着した活性炭(151mg/kgおよび101mg/kg)を処理圧力300〜600Pa, 処理温度300〜600℃,処理時間1〜4時間で処理をした結果,処理圧力600Pa, 処理温度400℃にて2時間処理することにより,活性炭中のPCB残留濃度は0.5mg/kg以下まで減少した。これより,PCBを吸着した活性炭からPCBを分離する方法として真空加熱分離法は有効であることが示された。また,真空加熱分離法によるPCBの分離挙動を検討した結果,活性炭に残留するPCBの一部の脱塩素化が確認され,処理温度が高く,また処理時間が長くなるにつれて脱塩素化が進行することが認められた。また,PCBの脱塩素化は,分離されたPCBの組成においても認められた。
キーワード:真空加熱,分離,PCB,吸着,活性炭,脱塩素化
廃棄物学会論文誌,Vol.17, No.5, pp.342-348, 2006
原稿受付 2005.10.14 原稿受理 2006.7.26
* ゼロ・ジャパン(株) 技術部
** 東京農工大学 工学部
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ゼロ・ジャパン(株)技術部 齋藤 哲