【特 集:いま歴史と文化を考える―ごみ文化研究部会特集―】

明治→平成・新聞はごみをどう伝えたか
溝 入   茂*

【要 旨】 幕末に新聞が発行されて以降,新聞はごみに関する数々の記事を掲載してきた。朝日新聞縮刷版を中心にその記事の掲載件数をたどると,明治,大正,昭和戦前,昭和戦後,平成と各時代ごとにごみ関連記事が突出して多くある時期があることがわかった。ごみ関連の記事が突出した時期,その背後に何があったかを各時代ごとのごみ関連記事をもとに考察し,新聞とごみとの関わりを明らかにする。また,これに関連して,明治以降のごみ排出量,1人1日あたりごみ排出量の変遷と,新聞が塵芥,ゴミ,ごみ,廃棄物をどのように使い分けてきたかを,ごみの記事件数から考察する。

キーワード:新聞,ごみ汚職,節約運動,ゴミ戦争,1人1日あたりごみ排出量
廃棄物学会誌,Vol.17, No.6, pp.319-330, 2006
原稿受付2006.10.23
* 東京都環境科学研究所・参事研究員
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