【特 集:いま歴史と文化を考える―ごみ文化研究部会特集―】

日本の廃棄物研究の歴史――1920年から1970年頃にかけて――
占 部 武 生*・稲 村 光 郎**

【要 旨】 廃棄物学会では廃棄物学の確立を目標の一つとしており,そのためには廃棄物研究の歴史についての調査が必要になる。ところで,日本の廃棄物処理の変遷については溝入の優れた著書があるが,研究に焦点をあてて調査をしたものではない。
 そこで,ここでは,現在の廃棄物問題のベースを形成していると思われる1920年から1970年頃にかけた時代の廃棄物をめぐる状況と,屎尿,焼却,堆肥化,資源化,埋立の分野の研究の歴史について調査するとともに,廃棄物研究の基本の一つとなるごみ質調査の歴史についても調査した。

キーワード:廃棄物研究,歴史,ごみ質
廃棄物学会誌,Vol.17, No.6, pp.360-366, 2006
原稿受付2006.10.27
* 龍谷大学理工学部
** 稲村技術士事務所
連絡先:〒520-2194 滋賀県大津市瀬田大江町横谷1-5
龍谷大学理工学部  占部 武生