【報  告】

名古屋市におけるごみ再資源化政策の費用対効果分析
仲   勇 治*・鍵 山   喬*

【要 旨】 名古屋市のごみ処理における再資源化推進政策(分別収集の徹底・強化)の費用対効果について物量バランスをベースに推算した。
 ごみ処理全体では,総排出量の減少,それに伴う焼却や埋立て処分量の低減につながり,また環境面でもCO2排出量の低減効果がみられた。
 費用面でも新規埋立て処分場の建設費用の削減を含めると効果が認められた。
 また個別の再資源化品目の一つであるPETボトルについて,GPLSシミュレータを用いて環境影響と費用について詳細度を上げてシミュレーションした。年次間での比較や,再資源化が実施されなかった場合などの要求シナリオに対して,費用や効果を推計することができた。

キーワード:ごみ再資源化,費用,効果,PETボトル,シミュレーション
廃棄物学会誌,Vol.18, No.1, pp.34-47, 2007
原稿受付 2005.4.25
* 東京工業大学 資源化学研究所
連絡先:〒226-8503 横浜市緑区長津田町4259
鍵山 喬