【論 文】
製品特性に関する数量化分析を用いた電気・電子製品の平均使用年数の推定
小 口 正 弘*・亀 屋 隆 志**・田 崎 智 宏***・谷 川 昇****・浦 野 紘 平**
【要 旨】 電気・電子製品22品目の平均使用年数と製品特性との関連性の数量化分析を行い,分析結果を用いた様々な品目の平均使用年数と使用済み台数の推定・推計を検討した。既存の調査事例より使用年数に影響する主な製品特性として「耐久性」,「買替製品の価格」,「新製品の大きな性能向上」,「搬送しやすさ」を抽出し,これらの品目による違いに関係する特性データを用いて数量化理論第T類による分析を行った。その結果,「補修用部品の保有期間」,「平均出荷金額」,「出荷台数の成長率」,「平均重量」の4つの特性データで決定係数0.82となり,平均使用年数の傾向を概ね説明できた。さらに,この結果を用いて数量化モデル式より平均使用年数を推定し,アンケート調査や出荷と保有の台数収支に基づく推定値と同程度の値が得られること,推定した平均使用年数から使用済み台数を推計し,様々な品目の使用済み状況を把握できる可能性があることを示した。
キーワード:電気・電子製品,平均使用年数,使用済み台数,製品特性,数量化分析
廃棄物学会論文誌,Vol.18, No.3, pp.182-193, 2007
原稿受付 2006.7.10 原稿受理 2007.2.28
* (有)環境資源システム総合研究所
** 横浜国立大学大学院環境情報研究院
*** (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
**** 北海道大学大学院工学研究科
連絡先:〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7
横浜国立大学 総合研究棟E204
(有)環境資源システム総合研究所 小口 正弘