【特 集:廃棄物・環境と会計】

廃棄物会計とベンチマーキング
山 川   肇

【要 旨】 本稿では,従来の廃棄物処理費用の計算方法上の論点として,@品目別費用計算方法,特に積載区分への配分方法と容積への換算係数,A処分場の減価償却方法,B施設解体費用や処分場閉鎖後費用の扱い,C組合との連結方法,D発生抑制部門の取扱い,の5点を抽出し,一般廃棄物会計基準における取扱いについて述べるとともに今後の課題を整理した。また,ごみ処理事業のベンチマーキングについて概説し,ドイツINFAによるごみ収集・運搬のベンチマーキング事例を紹介するとともに,ベンチマーキングにおける一般廃棄物会計基準の意義とその適用可能性を検討した。この基準に基づく費用情報のデータベースが作成されれば,各自治体は自らの効率的な面と改善余地のある面を把握できるようになるとともに,効率的に行っている自治体を探してそこから学ぶことが容易になることを指摘した。

キーワード:原価計算,ベンチマーキング,容器包装リサイクル法,リサイクル費用,効率化
原稿受付 2007.6.8
廃棄物学会誌,Vol.18, No.4, pp.205-212, 2007
* 京都府立大学人間環境学部
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