【展望論文】

高圧流体を用いた食品廃棄物の資源化技術の現状と課題
佐 伯   孝*†・川 本 克 也*

【要 旨】 資源化技術の開発が急務である食品廃棄物について,現在,行われている資源化方法と課題をまとめるとともに,グリーンプロセスの要素技術であり,廃棄物の資源化技術としても注目されている高圧流体技術について,廃棄物の資源化に関する研究の現状をまとめ,展望した。食品廃棄物の資源化は,廃棄物の組成が不安定であることなどから,効率の高い資源化技術の研究は必ずしも進んでいない。高圧流体を用いた資源化技術開発については,様々な廃棄物を対象として研究が進んでいるが,実用化されている事例は少ない。今後,食品廃棄物の新規かつ効率的な資源化技術の開発および実用化を進めるには,廃棄物の特性を適切に把握し,高圧流体技術と既存の資源化技術との組み合わせを活用した資源化システムを検討していくことが必要である。

キーワード:食品廃棄物,高圧流体,超臨界二酸化炭素,亜臨界水,資源化
廃棄物学会論文誌,Vol.18, No.4, pp.219-229, 2007
原稿受付 2006.11.2  原稿受理 2007.5.14
*(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
*†(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
現在 富山県環境科学センター
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富山県環境科学センター  佐伯 孝