【論  文】

日本からの使用済み自動車輸出量の推計
布 施 正 暁*・鹿 島   茂**

【要 旨】 本稿では,日本からの使用済み自動車(End-of-Life Vehicles:ELV)の輸出量を把握するため,ELVの輸出タイプとして業務輸出,携帯輸出,その他輸出を定義し,貿易統計を用いて1988年から2005年までを対象に中古車,中古部品,資源の輸出タイプ別輸出量の推計を試みた。そして1988年から2005年にかけ,ELVの総輸出量が860千tonから2,635千tonと3倍以上増加していることを明らかにした。また対象期間における全体の輸出量の中で,中古車は51%から63%,中古部品は36%から48%,資源は1%を占めていることと,携帯輸出やその他輸出といった貿易統計からの把握が困難である輸出量は全体の15%から34%を占め無視できない量であることを把握した。

キーワード:使用済み自動車,輸出量,推計,貿易統計
廃棄物学会論文誌,Vol.18, No.5, pp.305-313, 2007
原稿受付 2005.9.22  原稿受理 2007.6.5
* (独)産業技術総合研究所
ライフサイクルアセスメント研究センター
** 中央大学理工学部
連絡先:〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1
(独)産業技術総合研究所 ライフサイクルアセスメント研究センター
布施 正暁