【特 集:多様なニーズに応える試験・検査法への新展開―廃棄物試験・検査法研究部会―】

建設系再生製品を対象とした環境安全性評価試験システムの廃棄物学会規格化への取り組み
肴 倉 宏 史*・大 迫 政 浩*

【要 旨】 多様な再生製品に対する環境安全性評価試験は公的には定められていないため,再生製品の利用を推進しようとする各所の取り組みでは,統一的な試験評価の考え方や試験方法の提案が待たれている。筆者らは,環境安全性を担保したリサイクルの促進に貢献するために,廃棄物試験・検査法研究部会を母体として,建設系再生製品の環境安全性評価試験とその評価システムを開発し,廃棄物学会規格として提案することを目指した「システム規格化研究」を推進している。本稿では,再生製品の環境安全性評価に関する現状を整理し,廃棄物学会規格策定への取り組みを紹介するとともに,システム規格化研究の概要と進捗状況を報告した。

キーワード:再生製品,環境安全性,溶出試験,学会規格,システム規格化
廃棄物学会誌,Vol.18, No.6, pp.321-329, 2007
原稿受付 2007.10.9
* (独)国立環境研究所
連絡先:〒305-8506 つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
物質管理研究室  肴倉 宏史