【特 集:多様なニーズに応える試験・検査法への新展開―廃棄物試験・検査法研究部会―】

廃棄物と循環資源のサンプリング
田 崎 智 宏*・谷 川   昇**

【要 旨】 従来のサンプリングは,廃棄物を処理・処分するために,廃棄物の性状等を把握するために主に行われてきた。しかし,近年のリサイクル・国際循環などの進展により,サンプリングに期待される役割も変化している。本稿では,現在のサンプリングが果たす役割とともに,実際に行われているサンプリング手法や規格などを紹介した。また,単一組成廃棄物と多組成廃棄物に分けてサンプリングの理論を解説し,廃棄物のサンプリングでは一定程度のばらつきは許容しなければならないことを述べ,ばらつきをふまえた試験値の判定方法を示した。

キーワード:サンプリング,試験・検査,多組成廃棄物,循環資源,測定値のばらつき
廃棄物学会誌,Vol.18, No.6, pp.345-352, 2007
原稿受付 2007.9.26
* (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
** 北海道大学大学院工学研究科 北方圏環境政策工学専攻
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター  田崎 智宏