【論 文】
廃棄物処理施設周辺住民の反対理由に関するヒアリング調査分析
松 藤 敏 彦*・藤 本 有 華*†
【要 旨】 廃棄物処理施設の周辺住民に対してヒアリング調査を行い,施設に対する反対,受容の理由を分析した。対象施設は一般廃棄物,産業廃棄物の焼却施設,埋立地,焼却以外の中間処理施設であり,計10施設,回答者は各施設5名前後,計45名である。
反対理由は,大きく運転トラブル発生や有害物による健康影響などの「施設からの影響」と,住民の意向を無視した建設計画など「行政・処理業者の対応に関するもの」に分けることができ,それぞれをさらに内容別に5分類した。これらは,施設の種類,廃棄物の種類にかかわらず起こりうる反対理由である。一方,個人差はあるが,施設が受け入れられるための条件は施設からの影響がないこと,行政・処理業者の対応がよいことであり,回答者全員が受容している施設の状況から,後者がより重要と考えられる。
キーワード:廃棄物処理施設,住民,建設反対,ヒアリング
廃棄物学会論文誌,Vol.18, No.6, pp.400-409, 2007
原稿受付 2007.3.7 原稿受理 2007.8.23
* 北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物資源工学講座
*† 北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物資源工学講座
現在 (株)トステム
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物資源工学講座 松藤 敏彦