【研究ノート】

ロータリーキルン式産業廃棄物焼却施設によるハロン1301の破壊処理
小 口 正 弘*・長 沼   誠**・加 藤 み か***・浦 野 紘 平***

【要 旨】 これまでにフロン破壊処理の十分な実績のあるロータリーキルン式産業廃棄物焼却施設において,廃棄物混焼法方式によるハロン1301の破壊処理実験を行い,ハロン導入方法の確立と分解効率等の実証データの取得を行った。その結果,湯浴や恒温室などの設備がなくても,ボンベを上下逆に設置して少量の散水を行うだけでハロン1301を安定的にボンベから取り出せること,ロータリーキルンへのハロンの導入方法によって分解効率が低くなる可能性があることがわかった。これらをふまえて,ハロンを火炎より手前に導入し,空気や廃棄物中の炭化水素と十分に混合してから火炎へ接触させることで,ハロン破壊処理ガイドラインにある分解効率,副生成物,有害物質等排出の要件を満たした確実・安全なハロン1301の破壊処理が可能であることを実証した。

キーワード:ハロン1301,ロータリーキルン式産業廃棄物焼却施設,破壊処理,廃棄物混焼法方式
廃棄物学会論文誌,Vol.18, No.6, pp.463-468, 2007
原稿受付 2007.1.14  原稿受理 2007.8.23
* (有)環境資源システム総合研究所
** 三友プラントサービス(株)
*** 横浜国立大学大学院環境情報研究院
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(有)環境資源システム総合研究所  小口 正弘