【論  文】

自治体における容器包装リサイクル費用の測定と評価
李   松 林*・安 田 八十五**

【要 旨】 容器包装リサイクル問題は,容器包装リサイクル費用は一体いくらかかっているのかという問題と,容器包装リサイクル費用を誰が負担すべきかという問題とに集約することができる。本論文では容器包装リサイクルの費用測定の解明を行う。容器包装廃棄物のリサイクル費用を容積ベースで測定・評価するため,容器包装素材別「逆かさ密度」(かさ比重)を実測し,容器包装の収集費用を容積ベースで算出できるようにした。容器包装廃棄物のリサイクル費用の算出にあたっては,自治体にアンケート調査を依頼し,13自治体から回答を得た。自治体からの回答結果を用いて,アルミ缶・スチール缶・ペットボトル・ガラスびんの4品目のリサイクル費用を重量ベースおよび容積ベースで測定し,容器間および自治体間の分析・評価と比較を行った。

キーワード:容器包装リサイクル,逆かさ密度,リサイクル費用,社会的費用便益分析,費用負担問題
廃棄物学会論文誌,Vol.19, No.1, pp.26-34, 2008
原稿受付 2006.9.11  原稿受理 2007.9.25
* 関東学院大学大学院経済学研究科 経済学専攻
** 関東学院大学経済学部
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関東学院大学経済学部  安田八十五