【調査報告】

ドイツにおける埋立地に関する基準と廃棄物処理の動向
関 戸 知 雄*・土 手   裕*

【要 旨】 近年のドイツの埋立処分に関する戦略や問題,廃棄物処理の現状について,ドイツ環境省のレポートや現地でのヒアリング,シンポジウムの参加により収集した情報をもとにまとめた。ドイツでは2005年より廃棄物の直接埋立処分を禁止し,前処理を義務付けた。埋立処分される廃棄物の基準を設け,家庭系ごみに関してはクラスTあるいはクラスUの埋立地に処分される。また,ドイツにおける廃棄物処理方法の主流となっている,焼却処理と機械・生物処理(MBT)の現状と,発生する残渣の性状や処分に関して紹介した。MBT残渣の性状は,日本の破砕選別施設から発生する破砕不燃残渣と類似していた。

キーワード:埋立基準,ドイツ,MBT残渣,EU埋立指針
廃棄物学会誌,Vol.19, No.1, pp.31-40, 2008
原稿受付 2007.7.23
* 宮崎大学工学部土木環境工学科
連絡先:〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1  関戸 知雄