【研究ノート】
家畜ふん堆肥のケイ素含量とその簡易推定法
小 林 紀 子*†・森 岡 幹 夫**・小宮山 鉄 兵*††・伊 藤 豊 彰*・三 枝 正 彦*
【要 旨】 山形県の農家および堆肥製造センターでつくられた家畜ふん堆肥87点(牛ふん堆肥77点,豚ぷん堆肥6点,鶏ふん堆肥4点)のケイ素含量とその簡易推定法を検討した。
1)牛ふん堆肥のケイ素含量は,12.1〜307.8gkg−1乾物(以下DW),平均が95.4gkg−1DWであった。
豚ぷん堆肥のケイ素含量は,9.5〜79.6gkg−1DWで平均34.1gkg−1DW,鶏ふん堆肥のケイ素含量は,2.4〜36.1gkg−1DWで平均16.8gkg−1DWであった。
2)牛ふん堆肥の炭素含量(x)とケイ素含量(y)の間には,y=−0.75x+354(r=−0.904)で両者の間に0.1%で有意な負の関係が得られた。また,牛ふん堆肥の灰分含量(x)とケイ素含量(y)の間においても,y=0.44x−39.8(r=0.970)で0.1%で有意な正の関係が得られた。よって,敷料や副資材に籾殻,わら類,もどし堆肥が使用されている牛ふん堆肥のケイ素含量は,炭素や灰分含量から推定することができると考えられた。
キーワード:家畜ふん堆肥,ケイ素,炭素,灰分,推定法
廃棄物学会論文誌,Vol.19, No.2, pp.150-154, 2008
原稿受付 2007.5.23 原稿受理 2007.12.6
* 東北大学大学院農学研究科
** 山形県農業総合研究センター
*† 東北大学大学院農学研究科
現在 (有)ファーミング・スタッフ
*†† 東北大学大学院農学研究科
現在 JA全農 営農;技術センター
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(有)ファーミング・スタッフ 小林 紀子