【特 集:建設汚泥】

建設汚泥の再生利用に関する建設業界の取組み
阪 本 廣 行*

【要 旨】 建設汚泥は,建設工事から発生する廃棄物の中では最も再資源化率が低く,建設産業における再資源化率の向上が大きな課題となっている。本稿では,建設業界の取組みとして,建設会社における建設汚泥の発生抑制と再資源化率向上に関する技術開発等の取組みと,建設業団体における取組みを紹介する。建設会社における技術開発について,発生抑制技術では場所打杭や連続地中壁における発生抑制の取組みが多くみられる。また,再生利用技術に関しては,新しい土質改良材と高機能の脱水機の開発が主に行われている。建設業界団体である,(社)日本土木工業協会(以下,土工協)等における取組みについて紹介する。土工協では「建設泥土(建設汚泥)リサイクルの手引き」を作成し,講習会により協会員への周知を図るとともに,リサイクルの障害となっている「建設汚泥」の呼称変更を提案している。

キーワード:建設汚泥,建設汚泥処理土,再資源化率,発生抑制,再生利用
廃棄物学会誌,Vol.19, No.3, pp.138-145, 2008
原稿受付 2008.3.31
*(株)フジタ 土木本部土木技術統括部 エグゼクティブコンサルタント
(社)日本土木工業協会 環境委員会建設副産物専門委員会 委員
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