【研究ノート】
Bassモデルを適用した使用済み製品の排出量予測
――地上アナログ放送停波を考慮したカラーテレビ排出量予測の事例研究――
松 野 泰 也*・山 田 宏 之**・足 立 芳 寛*
【要 旨】 市場に,新製品・新技術が導入される場合,普及がある程度進捗するに従い,普及速度が加速することが考えられる。本論文では,前報にて報告した「施策などにより廃棄が促進される製品の排出量予測モデル」にBassモデルを適用し,デジタルチューナテレビの普及率に依存した普及速度を考慮した使用済みカラーテレビの排出量予測を行った。2003年10月から2006年8月までのデジタルチューナテレビ出荷実績との比較から,Bassモデルに用いるパラメータを設定し,2003年10月以降の出荷はすべて買い替えによるものとして解析したところ,アナログ放送停波予定時におけるデジタルチューナテレビの普及率は,約73%となった。また,Bassモデルを適用しデジタルチューナテレビの普及率に依存した普及速度を考慮したとしても,地上アナログ放送が停波される2011年7月には相当量の使用済みテレビが発生することが示唆された。
キーワード:カラーテレビ,アナログ停波,廃棄量,バス (Bass) モデル,普及速度
廃棄物学会論文誌,Vol.19, No.4, pp.286-291, 2008
原稿受付 2007.7.4
原稿受理 2008.2.14
* 東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻
** (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構
連絡先:〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 松野 泰也