【特 集:レジ袋ごみの発生抑制】

レジ袋ごみの課題と展望――その量と質の視点から
浅 利 美 鈴*・佐 藤 直 己*・酒 井 伸 一*・中 村 一 夫**・郡 嶌   孝***

【要 旨】 レジ袋ごみの量と質という観点から京都市における取り組みを中心に紹介した。量的削減の観点からは,地域協定等を背景とした取り組みを例に有料化の効果が大きいことを紹介した。依然として,近隣競合店への客の流れといった懸案事項を抱え,積極的に取り組めないという意見もある。こうした意見への対応として,地域協定は有効な手段であり,今後は,より効果的な啓発,普及活動を模索すべきであろう。また,レジ袋の削減はライフスタイルの変革を促す活動として評価されるべきだが,さらに他の容器包装などに応用し,広く市民が参加できる活動に展開していくことが期待される。
 質的改善の観点からは,鉛を含むレジ袋が存在すること,それがリサイクルや処理の段階で負荷となり得ることを示した。一方,告知により,改善が見られた店舗もあった。代替可能であることから,今後も質的改善を呼びかけていく必要があると考えている。鉛の存在や代替手法に関する情報の周知も今後の課題であろう。

キーワード:レジ袋,容器包装,地域協定,鉛,家庭ごみ
廃棄物学会誌,Vol.19, No.5, pp.187-193, 2008
原稿受付2008. 9. 11
* 京都大学環境保全センター
** 京都市環境局
*** 同志社大学
連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田本町
京都大学環境保全センター 浅利美鈴