【論 文】
ガラス系再生材からの重金属類の溶出特性と地下水への影響評価
門 木 秀 幸*・貴 田 晶 子**・細 井 由 彦***
【要 旨】 3種類の廃棄物再生材からの重金属類の溶出特性を,公定試験,アベイラビリティ試験,pH依存性試験およびカラム通水試験により検討した。
pH依存性試験では,Pbは酸性側とアルカリ側で溶出量が高くなり,Cr(VI)はアルカリ側または中性付近で溶出量が高くなった。Asについては,溶融スラグでは酸性・アルカリ性で溶出量が高くなるのに対し,ガラスカレット,発泡ガラスでは中性付近で溶出量が高くなった。カラム通水試験ではPb, AsはL/S2〜5までに大きく溶出濃度が低下するが,T-Cr,Cr(VI) は,L/S10まで溶出が継続する特性を示した。地下水への影響を雨水の浸透を模擬して評価した結果,Asについては,地下水環境基準に対して1,060%の影響があるものがあったが,その他の資材については地下水環境基準に適合した。
キーワード:再生材,アベイラビリティ試験,pH依存性試験,カラム通水試験,重金属類
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.20, No.1, pp.24-38, 2009
原稿受付 2007.11.28 原稿受理 2008.10.11
* 鳥取県生活環境部衛生環境研究所環境化学室
** (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
*** 鳥取大学工学部社会開発システム工学科
連絡先:〒682-0704 鳥取県東伯郡湯梨浜町南谷526-1
鳥取県生活環境部衛生環境研究所環境化学室 門木 秀幸