【特 集:住環境とごみ―持続可能な住まい―】

建設リサイクル法の施行状況の検討と200年住宅の普及促進に関する動き
橋 本 征 二*

【要 旨】 2002年の完全施行から5年が経過した建設リサイクル法の施行状況の検討と,長期優良住宅普及促進法等の200年住宅の普及促進に関する動きについてまとめた。建設リサイクル法の施行状況の検討については,国土交通省および環境省において法制度の評価・検討を行うために設置された委員会の報告書をもとに,課題と課題解決に向けた取り組みの方向性について議論した。200年住宅の普及促進については,200年住宅の経緯や意義,実現のための要件について整理するとともに,長期優良住宅普及促進法の概要と課題についてまとめた。3Rの原則に従えば,使用済みの建設資材を再資源化するとともに,良い住宅を維持管理し長く大切に使用することにも努力を払う必要がある。重要なのは,200年住宅に象徴される長持ちする住宅には,廃棄物問題の軽減以外にも様々な意義があるという点である。私たちの生活をより豊かにするという観点で,この課題に取り組むことが必要である。

キーワード:建設廃棄物,建設リサイクル法,長期優良住宅普及促進法,200年住宅,長寿命化
廃棄物資源循環学会誌,Vol.20, No.3, pp.115-121, 2009
原稿受付 2009.5.11
* (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
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