【論  文】

有機性廃棄物を材料とした浄化槽用シーディング剤の汚水浄化効果
代   英 杰*・小 島 陽一郎**・松 田 従 三**・田 中 俊 逸*

【要 旨】有機性廃棄物からなるシーディング剤の汚水浄化能を確認し,シーディング剤と下水活性汚泥との浄化処理効果を比較することを目的として,実験室規模の汚水処理実験を行った。化学的酸素要求量,pH,透視度,一般生菌数,浮遊物質,活性汚泥量などを測定項目として,汚水浄化効果を評価した。シーディング剤と下水活性汚泥の汚水処理能力はほぼ同一であったが,シーディング剤を添加することで汚泥発生量が少なくなった。シーディング剤は浄化槽の特性にあった微生物群を補給し,特に浄化槽稼動初期において汚水処理能力を向上し,浄化効率をあげることが明らかとなった。

キーワード:有機性廃棄物,浄化槽,シーディング剤,汚水処理,コンポスト
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.20, No.3, pp.189-195, 2009
原稿受付2008.4.8  原稿受理2009.2.27
* 北海道大学大学院地球環境科学研究院
** 北海道大学大学院農学研究院
連絡先:〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
北海道大学大学院地球環境科学研究院 田中 俊逸