【特 集:マテリアルフロー・アカウンティング】

廃棄物産業連関分析を応用したトップダウン型MFAモデルの開発
中 島 謙 一*・中 村 慎一郎**・松八重(横山) 一代***・近 藤 康 之**・長 坂 徹 也***

【要 旨】 近年,リサイクル資源を含めた資源の需給構造,および国際的な物質バランスを定量化するための手法として,マテリアルフロー分析 (MFA) が有益とされている。MFAは,製品の組成情報,産業部門における素材消費量などを積み上げる積み上げ型 (Bottom-up approach) のMFAと,各種の統計類を活用したトップダウン型 (Top-down approach) のMFAの2つに大別される。
 本稿では,トップダウン型のMFA手法として,廃棄物産業連関 (WIO) 分析モデルに立脚したMFAの理論モデルであるWIO-MFA (Waste Input-Output Material Flow Analysis) モデルについて紹介するとともに,塩化ビニル (PVC) のマテリアルフロー分析への適用を紹介する。

キーワード:マテリアルフロー分析 (MFA),産業連関分析,金属,プラスチック,塩化ビニル (PVC)
廃棄物資源循環学会誌,Vol.20, No.5, pp.206-211, 2009
原稿受付 2009.7.31
* (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
** 早稲田大学政治経済学術院
*** 東北大学大学院環境科学研究科
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター  中島 謙一