【特 集:持続可能な廃棄物最終処分場のあり方―埋立研究部会特集―】

埋立物制御技術としての中間処理
山 田 正 人*

【要 旨】 日本と世界の都市ごみと建設廃棄物に対する埋立物の質制御技術について概観した。都市ごみからの有機物低減技術として,日本の焼却技術に対して,欧州では機械選別と生物処理を組み合わせたMBT(Mechanical Biological Treatment)の導入が進められている。また,アジアの都市ごみ処理における中間処理では,焼却主体と焼却・生物処理併用の2つの流れがある。建設混合廃棄物の破砕選別処理は,埋立物から有機物を取り除くだけではなく,再生利用される資源を分離している。ふるい選別残さの質制御が技術的課題であり,技術がもたらす費用対効果を考慮する必要がある。地域の事情にあわせた可変性と経済性を高めることが,日本の中間処理技術の普遍化に必要である。

キーワード:埋立物,中間処理,有機物,建設廃棄物
廃棄物資源循環学会誌,Vol.20, No.6, pp.292-296, 2009
原稿受付 2009.11.11
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