【特 集:持続可能な廃棄物最終処分場のあり方―埋立研究部会特集―】

循環型社会と低炭素型社会を両立させる廃棄物処理技術
――都市ごみの焼却処理と焼却残渣の再資源化――
島 岡 隆 行*・中 山 裕 文*

【要 旨】 人間活動の代謝産物として発生する一般廃棄物の処理責務が課せられている市町村においても,低炭素型,循環型の処理システムの構築が求められている。本研究では,現在のわが国における一般廃棄物処理の現状を俯瞰し,その課題を抽出するとともに,新たな技術としてRecyclable Landfill System (以下,RLシステム) を提案した。RLシステムとは,廃棄物埋立地の埋立空間を焼却残渣セメント原料化のための脱塩施設として繰り返し利用することが可能な持続型環境技術 (Sustainable Environmental Technology) を取り入れたシステムであり,循環型社会のみならず,低炭素型社会にも貢献する技術である。

キーワード:低炭素社会,循環型社会,焼却残渣,セメント原料化,資源化
廃棄物資源循環学会誌,Vol.20, No.6, pp.297-303, 2009
原稿受付 2009.11.19
* 九州大学大学院工学研究院環境都市部門
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九州大学大学院工学研究院環境都市部門  島岡 隆行