【論  文】

日本における小型電気電子機器のリサイクル
相 澤 寛 史*,**・平 井 康 宏**・酒 井 伸 一**

【要 旨】 ビデオテープレコーダー,DVDビデオ,ビデオカメラ,デジタルカメラ,フラッシュメモリプレーヤー,HDDオーディオプレーヤー,ゲーム機器,携帯電話の8品目を対象に,日本における廃棄量および含有物質の潜在的な含有量の試算を行った。また,廃棄先・自治体におけるリサイクル実態について,アンケート調査を行った。廃棄量は年間約60,000tonと概算され,約0.4kg/(人・年) と,家電4品目6.7kg/(人・年) に比べては多くない結果であった。潜在的な資源量は金約4ton,パラジウム約3tonと資源密度が高かった。廃棄先は,携帯電話を除いては,自治体が50%以上を占める最大の排出先であった。約8割の自治体が,破砕処理後,リサイクルを行っている。その内訳は,鉄が約9割であり,レアメタルについてはほとんどリサイクルされていない。さらに,隠れたフローやe-wasteを含めた小型電気電子機器のリサイクル推進に向けた政策的な視点を整理した。

キーワード:廃電気電子機器,リサイクル,e-waste,関与物質総量,レアメタル
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol. 20, No. 6, pp. 371-382, 2009
原稿受付2008. 7. 11  原稿受付2009. 7. 16
* 環境省廃棄物リサイクル対策部リサイクル推進室
現在 環境省地球環境局地球温暖化対策課国際対策室
** 京都大学環境保全センター
連絡先:〒100-8975 東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
環境省廃棄物リサイクル対策部リサイクル推進室  相澤 寛史