【特 集:廃棄物系バイオマス利活用―利活用促進の制度および技術の現状―】

バイオマス利活用の意義と今後の方向性
坂 西 欣 也*

【要 旨】 バイオマスは,カーボンニュートラルで,再生可能エネルギーの中で唯一の炭化水素資源であるため,石油や石炭等の化石資源代替エネルギーとして注目されている。特に,輸送用燃料の中で,自動車燃料代替になるバイオエタノールやバイオディーゼル燃料の製造技術の開発が重要になっている。
 (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センターでは,主として食料と競合しない木質バイオマス等のリグノセルロースを原料とし,第二世代のバイオエタノールをつくる研究,およびガス化・ガスクリーニングによって製造された合成ガスからのフィッシャー\_mls2212\/トロプシュ (F-T) 触媒反応によるディーゼル燃料をつくる研究 (BTL:バイオマス・トゥ・リキッド),ならびにこれらのバイオマス転換プロセスのシステム評価技術の開発研究を行っている。

キーワード:バイオマス利活用,カーボンニュートラル,バイオ燃料
廃棄物資源循環学会誌,Vol.21, No.1, pp.18-22, 2010       
原稿受付 2009.12.22
* (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
連絡先:〒737-0197 広島県呉市広末広2-2-2