【論 文】
一般廃棄物最終処分コストの分析および標準費用モデルの作成
松 藤 敏 彦*・大 原 佳 祐*
【要 旨】 一般廃棄物最終処分コストを,全国123施設に対するアンケート調査に基づいて分析した。調査対象は立地,規模,水処理方法,被覆の有無などの条件に偏りのないよう抽出し,調査票は費目別の詳細を尋ねるものとした。
イニシャルコスト,ランニングコストともに,埋立容量,水処理量,年間埋立量などに対してスケールメリットがあり,おおよそ規模の0.5〜0.6乗に比例する。イニシャルコストの中では,用地取得費が大きな割合を占める場合がある。ランニングコストのうち,唯一モニタリング費は測定数が一定であり,規模に依存しない。各費用項目をすべてモデル化することで,費目間の相対的な比較が可能となった。最後に埋立コストをさまざまな条件の下で計算し,費目別の割合,および条件の違いがどのように影響するかを示した。
キーワード:最終処分,アンケート,コスト,スケールメリット,モデル
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.21, No.1, pp.30-43, 2010
原稿受付 2008.11.25 原稿受理 2009.12.24
* 北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物資源工学講座
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物資源工学講座 松藤 敏彦