【特 集:自動車リサイクルの進化】

自動車リサイクル法の見直し議論と今後の施策の方向性
上 田 康 治*

【要 旨】 平成17(2005)年1月に施行されたわが国の自動車リサイクル法は,解体業者等の既存のインフラを利用しつつ,使用済自動車のASRやフロン類等の3品目の引取り,再資源化を自動車メーカーに義務づけ,その費用は自動車購入時にユーザーが負担する仕組みである。
 今般,同法が施行後5年を迎えるにあたり,中央環境審議会および産業構造審議会の合同会議にて,制度の評価・点検作業が行われた。本稿では,平成22(2010)年1月にとりまとめられた合同会議の報告書の概要を解説し,法のこれまでの成果と課題,今後の方向性について紹介する。

キーワード:自動車リサイクル法,不法投棄,ASR(Automobile Shredder Residue),レアメタル,リユース
廃棄物資源循環学会誌,Vol.21, No.2, pp.81-86, 2010
原稿受付 2010.3.4
* 環境省リサイクル推進室
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