【論 文】
コンポスト化材料中でのポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系生分解性プラスチックフィルムの分解に及ぼす共存基質の影響
金 子 栄 廣*・森 川 正**・三 木 健 嗣**・平 山 けい子*・平 山 公 明*
【要旨】生ごみ処理機まで生ごみを運搬して投入する際の手間や衛生面の問題を解決する方法のひとつとして,生分解性プラスチック製の袋を生ごみの容器に用い,これを生ごみとともに処理機に投入する方法が考えられる。しかし,この方法が有効であるためには,生ごみとともに投入される生分解性プラスチックが生ごみと同様に速やかに分解されることが必要である。本研究では,モデル実験としてデンプンを共存基質とするコンポスト化材料中で,PBSA とデンプンを主成分とする生分解性プラスチックフィルムがどのような分解挙動を示すかを調べた。その結果,生分解性プラスチックの速やかな分解には,十分な細菌が存在することに加え,共存基質が少ないことが必要であることが明らかとなった。
キーワード:コンポスト,生分解性プラスチック,共存基質,細菌数
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol. 21, No. 4, pp. 143-148, 2010
原稿受付 2009. 4. 30 原稿受理 2010 .5. 6
*山梨大学大学院医学工学総合研究部
**山梨大学大学院医学工学総合教育部
連絡先:〒400-8511 甲府市武田4-3-11
山梨大学大学院医学工学総合研究部 (土木環境工学) 金子栄廣