【特 集:トレーサビリティと電子マニフェスト】

産業廃棄物の電子マニフェストシステム
竹 内   敏*・松 村 治 夫**・尾 崎 弘 憲**

【要 旨】 産業廃棄物の不法投棄の防止や適正処理の確保を目的とする電子マニフェストシステムが1997年6月の廃棄物処理法の改正で制定され,1998年12月1日より稼働した。電子マニフェストシステムは,法の遵守,データの透明性,事務作業・コストの削減が図られることから,その加入者数および登録件数は年々増加し,2009年度の普及率は年間実績で19% (2010年3月の月間実績で23%) となった。電子マニフェストシステムは,過去3回の改良が行われ,2010年5月4日から稼働した新システムでは,そのアクセス方法にWeb方式を導入し,EDI方式と併せて利用されている。わが国は世界に先駆けて電子マニフェストを導入したが,現在では海外でもいろいろな国で電子マニフェストが導入されつつある。本報では米国,韓国,台湾における取組状況についても紹介した。

キーワード:マニフェストシステム,電子マニフェスト,廃棄物処理法
廃棄物資源循環学会誌,Vol.21, No.4, pp.215-223, 2010
原稿受付 2010. 7. 22
*(財)日本産業廃棄物処理振興センター 情報処理センター業務推進部
**(財)日本産業廃棄物処理振興センター国際協力部
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