【論 文】
易解体設計の導入による環境負荷削減効果の評価手法の構築易解体設計の導入による環境負荷削減効果の評価手法の構築
醍 醐 市 朗*・佐々木 正 憲*†・藤 崎 克 己*††・松 野 泰 也*・足 立 芳 寛*
【要 旨】 製品への易解体設計 (DfD) の導入は,素材などの回収を向上させることで,環境負荷の削減効果があると考えられている。今まで製品の解体手順の最適化は研究されてきたものの,DfDによる環境面での効果量は評価されてこなかった。本研究ではDfDの導入による解体手順の変化をAND/ORグラフを用い可視化し,解体時の環境負荷削減効果の評価手法を構築した。構築した手法では,経済性において最適な解体手順を想定し,DfDの導入による経済最適手順の変化から,前後での環境性も評価し,DfDによる環境負荷削減効果量を評価した。評価対象プロセスとして,手解体,機械破砕・機械分離,マテリアルリサイクル,最終処分を考慮した。構築した評価手法を用い,電気ポットをケーススタディとして評価した。最適解体手順では,200円の利益と7.6kg-CO2の削減効果があった。加えて,DfDによりCO2排出量がさらに0.3kg削減できた。
キーワード:AND/ORグラフ,解体プロセス,リサイクル,易解体設計(DfD),製品構造
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.21, No.5, pp.178-191, 2010
原稿受付2009. 11. 10 原稿受理2010. 8. 11
* 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
*† 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
現在: JFEスチール(株)
*†† 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
三菱電機(株)
連絡先:〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 醍醐 市朗