【特集:容器包装プラスチックのリサイクルと今後】

プラスチック包装・容器の歴史と機能
葛 良 忠 彦*

【要 旨】 現在,包装材料として,プラスチックが主要な材料となっている。プラスチックが適用されている包装材料の形態は,フィルム包装,シート成形容器,射出成形容器,ブロー成形容器など,その種類は多様である。包装材料としてのプラスチックは,ガラス,金属,紙に比べて,その歴史は比較的新しい。フレキシブル包装としては,セロファンの単層フィルム包装から始まり,現在バリア包装として,多層フィルムが多用されている。シート成形容器は,スーパーマーケットでのプリパックに適用されるようになり,普及した。ブロー成形容器は,食用油,液体調味料の容器として適用されるようになり,現在では,飲料容器として地位を確立した。包装材料には,多くの機能が要求されるが,ガスバリア性は特に重要である。現在,種々のバリアー材料やバリア化の技術が開発されている。包装材料はその使命を終えると廃棄される。このため,3R (リデュース,リユース,リサイクル) を基本とする包装設計が行われている。

キーワード:フレキシブル包装,シート成形容器,ブローボトル,ガスバリア性,3R
廃棄物資源循環学会誌,Vol. 21, No. 5, pp. 273-280, 2010
原稿受付2010. 7. 29
* 包装科学研究所
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