【特集:容器包装プラスチックのリサイクルと今後】

消費者からみた容器包装プラスチックのリサイクル
中 井 八千代*

【要 旨】 現在の容器包装リサイクル法(容リ法) は,発生抑制と環境配慮設計に切り替えるインセンティブになっていない。使い終わった後の処理責任を事業者がきちんと果たし,その費用は製品価格に内部化し,買って使う消費者が負担する仕組みの構築が必要である。「環境を守るためのコスト」を,きちんと消費者にメッセージとして伝え(見える化),生産者と消費者が各々の環境配慮責任を分かち合い,持続可能な社会をつくっていきたい。現在,国では市民が参加しやすく,かつ効率のよいプラスチックの資源化手法,容器包装以外のプラスチックのリサイクルが検討されている。店頭回収の拡充,ソーティングセンターの導入など,自治体と事業者の役割分担と連携の新たな発展を求めたい。容器包装の3R を進める全国ネットワーク(3R 全国ネット) は,積み残した課題を今度こそ実現させようと,容リ法の再改正に向けての市民案を発表している。

キーワード:発生抑制ガイドライン,環境配慮設計,拡大生産者責任,ソーティングセンター,見える化
廃棄物資源循環学会誌,Vol. 21, No. 5, pp. 288-294, 2010
原稿受付2010. 7. 31
* 容器包装の3R を進める全国ネットワーク
連絡先:〒102-0083 東京都千代田区麹町2-7-3 半蔵門ウッドフィールド2F 市民立法気付