【論  文】

環境会計の資源循環コスト情報に基づく企業の廃棄物削減評価手法
林   直 行*・松 藤 康 司*

【要 旨】循環型社会の構築へ向けて各種リサイクル法が整備されている。しかし,対象製品は製造される多種多様な製品に比べると一部に過ぎないが,各企業は資源の有効な活用の促進に努めている。
本研究では,企業の廃棄物削減への取り組みについて,CSR 報告書の環境会計情報を基に評価および研究を行った。
業種別では,電気・ガス供給業が多くの資源循環コストを使用していた。売上高に占める「資源循環コストの比率(Resource Recycling Cost Ratio:RRC-Ratio)」に着目して分析を行った。その結果,再生資源卸売業における比率が高く,建設業では比率も高く資源循環コストも多いことがわかった。また,新たに,企業が廃棄物の削減への取り組みを判断する指標として「SWM 指数(SWM-Index)」を提案した。

キーワード:循環型社会,3R,資源循環コスト,資源循環コスト比率,SWM指数
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol. 22, No. 1, pp. 1-9, 2011
原稿受付2009. 11. 16 原稿受理2010. 10. 22
* 福岡大学大学院工学研究科
連絡先:〒814-0180 福岡市城南区七隈8-19-1
福岡大学大学院工学研究科  林 直行