【論 文】
ライフスタイルから見る環境配慮行動
――消費購買行動の類型化による人びとの特徴――
大 沼 進*
【要旨】本研究では,日常生活の消費・購買行動を基準に人びとの類型化を行い,その型ごとの分別・再資源化行動や態度の違いを明らかにした。札幌市在住者を対象に世帯調査を行い,訪問回収により65%の回収率を得た
(有効回答数499)。まず,弁当や惣菜の購入量や既製食品の食事頻度など日常生活における消費購買行動をもとに,ライフスタイルの類型化を行った。消費・購買行動に関する項目をコレスポンデント分析および因子分析に基づき得点化し,その得点を元にクラスター分析を行った結果,3R実践型,割り切り型,倹約型,家庭消費型,中外食依存型と名付けた5つの特徴に整理した。次いで,これらの類型ごとの回答者の属性の特徴を見た上で,さらにごみ・資源排出時の分別行動や認知の違いを調べた。中外食依存型の人々は,他の類型の人びとに比べ資源分別・排出をあまり行っていなかったが,他の4類型の間には顕著な差異は見られなかった。
キーワード:ライフスタイル,消費・購買行動,環境配慮行動,社会心理学
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.22, No.2, pp.101-113, 2011
原稿受付 2010.3.5 原稿受理 2010.11.25
* 北海道大学大学院文学研究科
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