【特 集:サステイナブルなサイクル・シティ―自転車と3R―】

電動アシスト自転車の動向と可能性
太 田 志 乃*

【要 旨】 グローバルに拡がる環境配慮に向けた取り組み,そして日本国内では天災影響も含めて,石油依存の「乗り物」から電気を動力源とする「乗り物」に注目が集まっている。その中でもモーターを駆動源とする電動アシスト自転車は,子供から大人まで男女を問わず人気が高まっている「乗り物」であり,日本の自転車メーカー,電機メーカーを中心に世界に先駆けた普及が開始されている。電動アシスト自転車は,利用者の便に供するのみならず,災害時の移動手段に加え,電源として使用される可能性も高まっており,国内では災害避難時の活用としても実用化が高く望まれている。今後は電動アシスト自転車を中心に,より広いケースでの利用設定が国内企業を中心に検討されており,新ビジネスとして国内から世界に向けて発信する時を迎えている。

キーワード:電動アシスト自転車,新産業,環境,災害時利用,技術的融合性
廃棄物資源循環学会誌,Vol.22, No.3, pp.236-243, 2011
原稿受付 2011.4.22
* 一般財団法人 機械振興協会経済研究所
連絡先:〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5-8