【論  文】

地方小都市における家庭系ごみの排出実態調査と原単位に影響する要因に関する研究
関戸 知雄*・土手  裕*・吉武 哲信*

【要旨】本研究では,ごみ排出原単位の大きく異なる宮崎県の2つの小都市を対象にフィールド調査を行い,ごみ発生抑制に対する行動や,可燃ごみ組成,ごみ袋重量を調査し,ごみ発生量に影響を与える要因について検討を行った。生活系ごみの中でも大きな割合を占める可燃ごみを中心に調査を行ったところ,自家処理実施割合や可燃ごみ袋あたりの重量,排出個数が異なることがわかった。調査結果をもとにした可燃ごみ排出原単位は両町で異なった。可燃ごみ排出原単位を外的基準とした数量化理論I類を用いた解析では,自家処理の影響が両町で異なることが示され,特に庭ごみの自家処理が可燃ごみ排出原単位の差に寄与していることがわかった。以上より,ごみの排出抑制のためには地方小都市の特徴を生かして,庭などがある家では家庭菜園を行い生ごみを堆肥として用いる等,積極的に自家処理を進めることが効果的である。

キーワード:ごみ排出原単位,アンケート,数量化理論I 類,可燃ごみ,地方小都市
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.22, No.4, pp.243-252, 2011
原稿受付2010. 7. 9 原稿受理2011. 5. 9
* 宮崎大学工学部土木環境工学科
連絡先:〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1
宮崎大学工学部  関戸 知雄