【特 集:2R推進への動き】

海外における廃棄物発生抑制・リユースの取り組み
田崎智宏*・渡辺浩平**

【要旨】本稿では,EU と北米における廃棄物発生抑制の取り組みの動向を概観し,その内容を対象物,取組手法,国の3つの視点から整理した。その結果,発生抑制取組の計測手法の検討や優良事例等の情報共有・データベース構築の取り組みが進んでいること,パートナーシップに基づく取り組みや協定が多用されていること,食品ごみ,紙ごみ,容器包装廃棄物,使い捨ておむつの削減は多くの国で注目されていること,家庭ごみだけでなく事業系ごみや産業廃棄物,有害廃棄物の発生抑制が意識されていることを確認できた。個々の取り組みは日本と類する点も多いが,啓発手段ではコーチング手法の導入事例,リユースでは素材のリユースを行う事例があるなど,取り組みの多様性が広がっており,海外から学ぶことも多いと考えられた。

キーワード:食品ごみ,紙ごみ,容器包装廃棄物,発生抑制プログラム
廃棄物資源循環学会誌,Vol.22, No.4, pp.272-278, 2011
原稿受付2011.6.1
* (独)国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター,
スウェーデン・ルンド大学国際産業環境経済研究所
** 帝京大学文学部社会学科
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター 田崎智宏