【論  文】

有機物の熱化学的変換プロセスにおける乾燥方式に関する評価
野 間   毅*・井 手 勝 記*・松 井   宏*

【要 旨】 バイオマス資源やごみなどの有機資源は,含水量が大きいためにガス化システム等の熱化学的変換プロセスを利用した場合にシステム効率の低下を招く。そのため,プラント内で発生する排熱により原料を乾燥することが有効な手段である。
 本稿では,ガス化プラント内で発生する排熱を用いた原料の乾燥プロセスに要求される仕様についての考察を行う。また,乾燥方式として,熱風式直接加熱と蒸気間接伝導加熱式乾燥機をガス化処理プロセスと組み合わせた場合のシステム効率のケーススタディーによる評価を行い,後者のシステム効率が最大で64.7%改善されることを示した。さらに,蒸気間接伝導加熱式乾燥機を実際のガス化プラントに組み込んで10ton/dの一般廃棄物を処理した場合について,プラント効率および乾燥機の伝熱性能につていの評価を実施し,性能が見込みどおりであることを確認した。

キーワード:蒸気間接伝導加熱乾燥機,ガス化,排熱,バイオマス
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.22, No.6, pp.329-336, 2011
原稿受付 2010.1.15  原稿受理 2011.8.9
* (株)東芝 社会インフラシステム社 水・環境エンジニアリングセンター
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(株)東芝 社会インフラシステム社 水・環境エンジニアリングセンター  野間 毅