【論  文】

低温炭化と空気酸化による竹活性炭の調製
佐久間 美 紀*・天 野 佳 正**・町 田   基**

【要 旨】 原料のモウソウチクを短冊状の竹チップにし,窒素気流中,500℃,昇温速度25℃/minで管状炉を用いて2時間炭化し竹炭を調製した。次にカリウムを多く含む灰分を残した状態の調製した竹炭を180℃,280℃および380℃で2時間空気酸化した。細孔特性はBET法,αs-plot法およびt-plot法にて,表面官能基はBoehm滴定にて求めた。表面積は未酸化竹炭が250m2/gであったのに対し,180℃の空気酸化で340m2/gに,380℃で680m2/gまで増大した。細孔容積は380℃の空気酸化により未酸化竹炭の0.16mL/gが0.31mL/gまで発達した。また380℃で空気酸化を行った竹炭は,1000℃での脱気処理によっても表面積・細孔容積ともに微増した。竹炭の表面官能基量は空気酸化により増加し,酸化温度の上昇に比例して増加した。380℃の空気酸化により表面官能基 (特にカルボキシル基) は未酸化竹炭の0.02mmol/Lから1.19mmol/Lまで増加した。低温炭化に続く空気酸化により,未酸化竹炭と比較して表面積・細孔容積ともに大きく,表面官能基の豊富な竹活性炭を調製できることを明らかにした。

キーワード:竹炭,炭化,空気酸化,表面特性,細孔特性
廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.22, No.6, pp.337-343, 2011
原稿受付 2010.10.14  原稿受理 2011.8.9
* 千葉大学大学院自然科学研究科
** 千葉大学大学院工学研究科,
千葉大学総合安全衛生管理機構
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千葉大学大学院自然科学研究科  佐久間美紀