2003年度小集会
「容器包装リサイクル会計の実態調査−事業者と市町村のリサイクルコスト−」


2004年11月27日更新


 2003年10月23日 16:00〜18:00につくば国際会議場にて「容器包装リサイクル会計の実態調査−事業者と市町村のリサイクルコスト−」というテーマで小集会を開催しました.当日の概況を以下にご報告します.

プログラム:

  1. 市町の容器包装のコストについて(西ヶ谷 信雄)
  2. 容器ライフサイクルコスト調査について(中路 達也)
 司会 大川 隆司
(敬称略)
 

概要:
 容器包装リサイクル法の功罪・課題についてはさまざまな議論があるが,そのうちの一つにリサイクルコストの負担問題がある。しかしながら,そのコスト自体が明らかになっていない。社会・経済部会LCC分科会では,こうした容器のリサイクルコストについて研究を行っている。本小集会では,その中間報告を行った。
 初めにガラスびんリサイクル協議会顧問で環境経営コンサルタントの大川氏よりLCC分科会の母体であるLCC研究会の設立経緯と趣旨説明があった。
 続いて,(株)インテージグリーンマーケティング研究所の中路氏は,コスト調査全体の概要,企業・自治体コストの調査対象範囲を説明したのち,事業者コストとして,業界関連費用,自社リサイクル活動費用,再商品化費用,3Rのための研究開発費を挙げ,それぞれについて説明した。また事業者向け調査の概要等について報告があった。
 次に西ケ谷氏は,自治体コストの試算方法について,収集費用(直営,委託それぞれについて),中間処理費用(直営,施設保有・作業委託,施設非保有・作業委託,直接事業者に搬入のそれぞれについて),残渣処理費用のそれぞれについて提案した。また費目別費用の集計結果を示した。そしてこれらに基づいて,市町村規模別・直営/委託別・品目別・使用車両別の収集コスト,および施設保有・作業委託の有無別の中間処理費の試算結果を報告した。また焼却・埋立の量的変化,費用の変化を試算して,容器包装リサイクル法の効果についての検討結果を報告した。
 その後,報告者と会場との間で質疑・意見交換が行われた。主な内容として@研究開発費・啓発費は対象費用に入るべきか,入れるとしたらどう入れるべきか,Aコストは重量ベース,容量ベースのいずれで評価すべきか,Bコストに影響している要因の分析方法,C代表値の取り方,Dリターナブルびんの評価方法,E統一的データの取得困難性をどう克服するか等があった。研究開発費については,長期的に回収されるもので入れない方がよいのではないかとのコメントがあったが,リサイクル関連のみを入れる,企業努力の評価も必要ではとの回答があった。啓発費については,関係啓発費のみ分離することの困難性,企業の社内啓発や業界団体の啓発費の取扱い等が議論された。この分野の研究者が意見交換する場が必要であるとのコメントもあった。
 参加者は約40名で,アンケートでは取得困難なデータの収集に対する評価とともに,最終報告への期待等が述べられていた。


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